取材・執筆・推敲 書く人の教科書

文章を書く人に読んでほしい一冊です。

いきなり感想

私自身ブログを1年以上続けてきましたが、ライティングの本は読んだことがありませんでした。
この本はイメージしていたライティングの本とは違い、テクニックの紹介は一切ありません。
タイトルにある「取材」「執筆」「推敲」のそれぞれのテーマをどう捉えて、どう向き合っていくべきなのか。考え方だったりその方法を教えてくれている本なのかなという印象でした。
読了後、そこまで真剣に考えて考え抜いて文章を綴ってこなかったなと気がつきました。
ブログを書いて発信をしていく以上はいいものを届けるべく、書くことと、その前後にある準備や後処理にもっと神経を使っていきたいと思います。

この本の全てをここでは紹介しきれませんが、少しだけご紹介。

まず鍛えるべきは「読む力」

読者としての自分が甘すぎると自分の原稿が読めず、推敲が中途半端になり精度を高めることなく筆を置いてしまう。

あなたの原稿がつまらないのだとしたら、それは、「書き手としてのあなた」が悪いのではなく、「読者としてのあなた」が甘いのだ。

「取材・執筆・推敲 書く人の教科書」より

これには衝撃を受けました。なるほどそういう視点だったのか、と。
書くことだけにフォーカスするのではなく、まずは読むことから始めてみる。

価値のあるコンテンツ

とは、次の3つが揃ったとき。

  1. 情報の希少性
  2. 課題の鏡面性
    自分には関係ないと思ったら読んでもらえない。コンテンツに鏡面性を持たせて、自分ごととして興味を持ってもらう。
  3. 構造の頑強性
    文章量が多くなるほど、「構造」が重要になってくる。

推敲とは、自分への取材

書き手としての自分と、読み手としての自分を切り離して行うことが重要。そのためには、自分の原稿と距離を置くこと。

大切な3つの距離の置き方

  1. 時間的な距離
    書いた原稿は一度寝かせる。今日より明日、明日より明後日。時間をあければあけるほど自分の原稿を客観視して読むことができる。
  2. 物理的な距離
    原稿の見た目を変えてみる。
    例えば、縦書きから横書き、明朝体からゴシック体。原稿の見た目とその印象が激変し、当初は気づけなかったミスを発見できる。
    最終的にはプリントアウトして赤ペンでチェック。この手間を惜しまなければかなり客観的に読める。
  3. 精神的な距離
    完成前に他人に読んでもらうと、急に客観視できるようになる。

最後に

原稿は書いた人のものではなく、読者のもの。
書いた自分の満足ではなく、読者の満足のために書かれるもの。
このことを忘れずに意識して書くだけでも、出来上がる文章がかなり変わるのではないかと思いました。