
経営危機にあったUSJをV字回復させたマーケター、森岡毅さんの著書です。
森岡さんのインタビュー記事をネットで偶然読んでから、森岡さんに興味津々になり、今ではすっかりトリコになっています。
マーケティングについてなにも知識のない私ですが、マーケティングはとにかく奥が深く面白いなと思いました。マーケターという職業、本当にかっこよく尊敬します!
森岡さんについてはこちらの記事でも触れていますのでご覧ください。
目次
ざっくり内容
おすすめ読者
USJで変えたたった一つのこと
【戦略的思考】目的と目標の違い
【戦略的思考】戦略と戦術の違い
戦略的に考えるとは?
マーケティングフレームワークで戦略を考える
目的の設定
誰に売るのか
何を売るのか
どうやって売るのか
ざっくり内容
この本は高校生の娘さんでも理解ができるように「世界一優しいマーケティングの入門書」として書かれました。
この本の目的として
- ビジネスで成功するカギである「マーケティング思考」を伝える
- 森岡さんが体得してきた「キャリアアップの秘訣」を伝える
私自身マーケティングの知識は皆無でしたが、相当やさしく、シンプルに説明がされています。苦なく、むしろ最初から最後まで興味を持って読み切ることができました。
いくつか森岡さんの本を読みすっかり虜になっています。
この本もすごくおすすめですが、私なりに考える特におすすめできる読者は以下です。
おすすめ読者
- マーケーターを目指す人
- キャリアについて考える学生
- ビジネスで成功したい全ての人
- マーケティング思考を手に入れたい人
マーケティングの基本の考え方であるマーケティング思考は、全ての仕事の成功率を上げます。あらゆる仕事における「業務効率」と「成功の確率」を劇的に上げます。個人でも会社でも、ビジネスで成功したい人こそマーケティング思考を学ぶべきなのです!
そしてマーケティング思考が役に立つのは、消費者を全く相手にしない仕事をする人でも、マーケティングの考え方を知っているとあらゆることの成功の確率が上がります。ターゲットを「上司」や「恋人」に置き換えて考えるだけでマーケティング思考はあらゆる場面で役立ちます。
USJで変えたたった一つのこと
ブランドの定義やテレビCMの見せ方、アトラクションやイベントなどUSJでは多くのことを変えてきましたが、根本的に変えたことは一つだけ。
消費者視点という価値観と仕組みに会社を変え、それがUSJをV字回復させた最大の原動力となりました。
【戦略的思考】目的と目標の違い
戦略的に頭を使うことがマーケターになるための第一歩です。
ここで大事な戦略用語を抑えます。
目的:達成すべき使命。戦略思考の中では最上位の概念。
目標:その目的を達成するために経営資源(お金や人や時間など)を投入する具体的な的のこと。
例えば、、
「目的はパリ占領、目標はフランス軍」
→パリを占領するために資源を投下すべき目標がフランス軍。
【戦略的思考】戦略と戦術の違い
戦略:目的を達成するために自分の持っている資源を、何に集中するのかを選ぶこと。資源集中の方針を決定する。
戦術:戦略を実行するためのより具体的なプランのこと。戦略の下位概念。
戦略的思考は必ず「目的→戦略→戦術」と下方展開していきます。
戦略的に考えるとは?
重要なのは「目的→戦略→戦術」の順番で考えること。目的が変わると全ての戦略は変わってしまうので、最初に目的を明確にすることが何よりも重要。
戦略的に考えられるということは、この順番で大きいところから考えられるようになるということ。
マーケティングフレームワークで戦略を考える
マーケティングで重要なパーツは理解できました。では実際にどのようにして「整合性のある戦略と戦術」を生み出していくのか、便利なフレームワークを使って考えてみます。
今回使うフレームワークに上で説明した4つを当てはめていきます。
目的:objective(達成すべき目的は何か?)
目標:who(誰に売るのか?)
戦略:what(何を売るのか?)
戦術:how(どうやって売るのか?)
必ず目的に近いところから、上から順番に考えていきます。
目的の設定
目的次第でその後決めるべき全てが変わってくるので、目的が適切であることはとても重要です。
目的設定の際重視する3つのポイントを紹介します。
- 実現可能性
高すぎず低すぎず、ギリギリ届く高さを狙う。 - シンプルさ
理解できる、覚えられる、すぐに思い出せる。 - 魅力的か
心から達成したいと思える目的なら人を巻き込んで人的資源を増やすことができる。
誰に売るのか
目的が決まったら、マーケティングのターゲットとして誰を狙うのか、WHOを決定します。全ての人を対象にするのではなく、ターゲットとなる消費者を選ぶことで限られたリソースを有効的に使うことができます。
- 戦略ターゲット
もっとも大きな括りで、この外にいる消費者にはマーケティング予算は使わずに完全に捨てます。中長期的な視点で定義し、戦略ターゲットのくくりが目標達成に対して小さすぎないように注意する。 - コアターゲット
戦略ターゲットの中でさらにマーケティング予算を集中投資するターゲット消費者のくくり。ダイレクトメールや特典プロモーションなど最も手厚くマーケティング予算を使用される消費者グループ。
何を売るのか
消費者が本当に欲しているものを理解する。
例えばUSJでは、アトラクションを体験した時に起こる「感情」がWHAT。アトラクションそのものではなく、どんな感情が味わえるのか追求しなければいけない。
どうやって売るのか
戦術に当たる部分。戦術が強くなくては、素晴らしい戦略であっても目的が達成できない。消費者の目に触れるブランドにまつわる全ての要素がHOWであることが多い。
HOWはすごく大切だが、最も重要なのはWHOの理解。消費者をしっかりと理解してこそHOWが判断できる。
まとめ
マーケティングに興味がある人もない人にもとにかく興味深くおすすめです!